2002年2月5日 火曜日

曲げに強い県産材 管柱として健康住宅使用


曲げに強い県産材

管柱として健康住宅使用

防腐加工の佐々木木材防腐(前橋市下大島町、佐々木国雄社長)は、曲げ強度に優れ、伸縮が均等に分散される四面背割り工法を用いた県産材の販売を開始した。同工法を使った木材は、シックハウスの一因と考えられている集成材が主流だった管柱として使用が可能なことから、同社は健康志向の高まりの中で需要の増加を見込んでいる。

同工法は、愛知県名古屋市の岩崎木材と欧倫ホームが共同開発して特許出願しており、佐々木木材防腐が群馬、栃木、茨城の三県で代理店契約を結んだ
 主に壁の内部の補強などに用いられる管柱は、狂いや暴れといった木材の形状変化が少ない北欧産のホワイトウッドなどの集大成が主流となっている。しかし、集成材は接着剤に化学物質を含み、シックハウスの一因と考えられている。これに対し、国産材はこれまで一面に溝を入れる一面背割り工法などを施し、使われることもあったが、強度などが課題となっていた。
 両者が開発した四面背割り工法は、材木の四面に深さ12〜15ミリの溝を入れることで、乾燥による伸縮を均等に分散し、大きな暴れを抑える効果があることから、管柱として県産材の利用も可能にした。同社の比較試験によると、従来の一面背割りに比べ、曲げ強度が平均で20%高まったという。
 販売価格は県産杉材(3メートル)で120ミリ角が3200円、150ミリ角が2200円。
 佐々木社長は「集大成を使わない自然素材の健康住宅が可能になる。県産材の場合、県独自の利子補給制度も活用できるので中小住宅メーカーにぜひ使ってもらいたい」と話している。