2003年3月20日 木曜日

注目のO&Dウッド新工法


注目の「O&Dウッド」新工法

常識を超える耐用年数を保持

谷止工で威力発揮

総代理店契約を結ぶ

間伐材利用の可能性を広げる画期的な処理木材「O&Dウッド」が全国的に新しい土木工法として注目されている。これは、(財)林業土木コンサルタンツと潟Rシイプレザービング(大阪市住之江区平林北2-9-145)が平成11年度に共同開発したもので、近畿地方を中心に新工法として認められ、実績を上げている。
県内で、唯一、総代理店契約を結んだ佐々木木材防腐梶i佐々木国雄社長、前橋市下大島町577-2 027-266-1324)は、図面作成依頼から耐久性仕様作成、原材料となる木材の加工までを手がける。その後の措置工事は受注業者が担当する。
屋外用利用木材として10年間保証付の「O&Dウッド」は、木製校倉式工法を用い、自然との調和を考えた新しい間伐材利用の土木工法。主に谷止工として利用するが信頼性は高く、林野庁制定の暫定保掛表にも「木製校倉式土留工」として掲載されている。
同工法は、未処理の木材(丸太)に前加工処理として圧縮加工機にかけ、注入性の向上を図り、それを加圧注入処理(加圧注入タンクを使用)することで防腐、防犠性能、寸法安定、割れ止め性能を高めるとともに、極めてばらつきのない均一性に優れた高品質材となる。また、木材を圧縮加工することで、含水率70%を超える木材でも薬液を充分浸透させることを可能にした。
その後、理論的で堅固な構造体である校倉式を応用した井桁構造に組み込む。これは、井桁構造の中詰材に土石を使用する重力式の構造体であることから安定計算を可能とし、また丸太そのものを組み込むため金物などを強度部材として使用することがなく、金属の腐朽に関係なく、強度を保つ。
強度面でも常識をはるかに超えており、過酷な条件下でも50年をさらに上回る「超長期間の耐用年数」を持つと試算されている。
環境面でも高レベルな安定性を持っており、加工時(薬剤注入時)に主成分が銅とアルキルアンモニウム化合物系のマイトレックACGを用いる。これはJISの定める木材保存剤に適合する優れた防腐・防蟻材で、数々の安定性が確認されている。
一方、工期の短縮も図れ、特徴として●工場でのプレカット部材であり組立施工に熟練労働力を必要としない●切取、掘削などによる現地発生の土石を中詰材として使用できる。●構造物の養成期間が不要であり、工事完成と同時に施工効果を発揮する●材料が軽量である−などの利点があげられる。