「背割り」の技法

ヒノキやスギなど、日本で一般的に使われている木材は、丸太や柱の芯持ち材をそのまま乾燥させると「ひび割れ」が生じる。
 丸太や柱は表面から乾き始めるので、乾いた表層だけ縮もうとする。しかし内側(芯に近い部分)にはまだ水分が残っているから、表層の縮みをジャマする。そこで表面が引っ張り合い、割れ目が入る。これがひび割れの原因となる。
 このひび割れを防ぐため、乾燥する前の丸太や柱にあらかじめ鋸目(のこめ=鋸を引いてできる切れ目)をいれ乾燥させるのが「背割り」という技法。こうすると、乾燥による縮みは鋸目のところに集中して、ほかの部分のひび割れがおきない。
 この技法は古くから日本でおこなわれ、400年前の桂離宮の御幸御殿ではすべての柱に背割りが施されている。現在も背割り材は柱は床柱などに多く用いられている。
 この背割り材は従来、背割りが開ききるまで乾燥に時間をかけ、万が一上棟後に湿度変化で開きが出た場合は胴縁で調整、仕上げ壁のひび割れや凹凸を防ぐ対策がとられてきた。
 ところが、乾式工法の普及や法規制による在来工法の変化で新たな悩みを抱えるようになった。その悩みは@胴縁を省くことによる仕上げ壁のひび割れや凹凸の影響A金物を多用することにより、背割りと金物のボトルやビスがぶつかり固定(強度)不足になる、と大きく2つに集約できる。
 この悩みを解決するため4面背割りの新たな工法(ノンツイスト工法=特許申請中)を開発したのが愛知県名古屋市の地域工務店・渇「倫ホーム(尾崎眞平社長)と岩崎木材梶i岩崎武憲社長)。いま、大工・工務店を間に広がり始めている